SSブログ

江刺の一景 [旅先一景]

 蔵が多く残る町、江刺。
 江刺(えさし)というと、「北海道の?」と聞く人も多いけど、あれは江差(えさし)町。江差町の江差はアイヌ語で昆布のことだそうで、つまり”昆布町”。
ところで江刺は、岩手県奥州市江刺区のことで、合併前までの江刺市のこと。
 地元の人たちが県外に出てそういう言われ方をして悔しい思いをしたので、何とか「江差じゃなくて江刺あり」ということを全国に発信しようと、町の特徴である蔵を活かしたまちづくりを始めたのだとか。
CA3A0346.JPG

 町には今も蔵が多く残り、店蔵もこのようにありますが、ほとんどは屋敷の裏側に荷倉として建てられています。
CA3A0338.JPG
 
 通りの裏に蔵を建てているのは山形と同じだけど、こちらは誂えが違う。
 屋根の装飾が見事な上に海鼠(なまこ)壁の部分が広く、そもそも海鼠の白線が他より太い・・・ホヤの刺身はでかくて美味かったけど、ナマコまででかいとは・・・。

 そんな魅力的な装飾系の蔵を町おこしに使おうと、数年前に町の有志が黒船という会社を立ち上げ、集客の拠点にしようと考えた。有名な滋賀県長浜市の黒壁が入ってガラス館を開いたけど、収益が厳しく撤退。地震で蔵にひびが入ったりで一時は大変だったようですが、今は市の支援もあってなんとか持ち直してきているとか。
 それにしても、町の人たちが町を何とかしようという意気込みには感心させられました。
 町を何とかしようと思う人、何とかしなければと言う人は多いですが、何とかをしようとする人はそうはいないもの。江刺に、そういう人が何人もいるということは貴重な資源。思い切ればうまく行かないこともあるでしょうが、少しずつでも蔵を活かしたまちづくりを続けていってほしいものです。

 江刺の人の、名前以外のもうひとつのコンプレックスは東北本線の駅が無かったことだとか。元々明治時代、汽車の煙が環境に悪いから、敢えて線路を通させなかったためだそうです。先見の明があったのか、無かったのか、何でも悪いことは駅がないせいだとされたこともあって、評価は時代によって立場によって変わるのでしょうが、江刺の人の遺伝子には、先祖が地元の大切なものを守るという判断をした”スイッチ”が今も入ったままになっているのではないでしょうか。
タグ:江刺
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

ソウルの一景②2000NYの一景 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。